ヨシムラフードとのれん償却
近況
仕事の方はようやく決算の締めも少し落ち着いてきました。
何にしても、親会社への報告、会社法上の報告、監査の対応だとか、4月はやることがとにかく多いですね。
まあ、一通りやってみると財務諸表の読み方はだいぶ深まるのはわかります。
世の中ではPLの営業利益から上しか理解していない人が大半だと思いますが、3表がつながってくると違った見え方をしてきます。
まさに下のヨシムラフードの記事がそんな話です。
今週のえほん
毎週4，5冊借りて返す、という循環が習慣化してきました。
平日頭が疲れている時でも、読み聞かせをしてみることでだいぶリラックスできて自分自身の睡眠の質も上がります。
デイビッドリッチフィールドの「クマと森のピアノ」。絵本の中ではわりと不器用で鈍感なイメージででてくることが多い気がするクマですが、そこのギャップをうまく使っているような気がします。訳者は俵万智さん、以外なところで名前を見かけました。 https://t.co/szVHng0Dhp pic.twitter.com/ySscoSyZ5Q
— へうえる (@hewell824) April 13, 2018
週間パフォーマンス
売買をしている余裕もなく、放置しています。
週間ベースでは、現状維持ですが、金曜引け後に発表されたヨシムラフードの決算の夜間での反応を見る限りもう一段の下げは覚悟した方がよさそうです。
今週も本業が立て込んでたので、特に売買はなく静観。週間パフォーマンスも＋0.2%とほぼ横ばいでした。 pic.twitter.com/gdAPKNXuF4
— へうえる (@hewell824) April 13, 2018
銘柄定点観測
ニチリョクがずいぶん下がりましたね。
たしかに優待も公にしているものではないので、どうなるのかわかりませんが、ここの会社の性格からすると、仮に廃止になったとしても業績が回復すればすぐ復活させると思うので、秋口までにまだここから下げるようであれば参入してみたいなと思います。
ウォッチリスト定点観測。オイシックスが結構下げてるなぁ。ニチリョクは厳しい状況だけど、気になるところ。 pic.twitter.com/rrI4PwiVIZ
— へうえる (@hewell824) April 14, 2018
注目IR・イベント
ヨシムラフード
1Q決算発表です。
市場の注目はおそらく来期業績予想になると思いますが、今回の開示からみると、売上は伸びるものの営業利益以下は横ばいからやや減少という内容でした。
まあ、PLをざっと見る限りでは高PERを許容するには厳しい内容と言わざるを得ない気がしますし、1月の高値は向こう２～３年超えられない可能性も覚悟する必要がありそうです。
市場の評価としては時価総額600億円とすると、単純にPER50倍として当期利益12億円くらいは見えてくる状況でないと厳しいところで、来期予想の3.6億円では全く話にならないでしょう。
むしろ、この数字だとPER50倍を許容することも難しく、時価総額100億円（株価でいうと500円近辺）あたりまで落とされても致し方ないと思います。
・・・という見方も一面ではありますが、もう一段深堀してみるとちょっと見方が変わります。
そもそも、この会社の性質から言って、より大事なのは一株利益（当期純利益）ではなくて、①売上および売上総利益、②正味のキャッシュフローを拡大することに重きをおくべきだと思います。
どういうことかと言うと、減価償却だとかのれんの償却というのは、利益には影響するものの、キャッシュが出ていくわけではないので、これらによって業績が伸びないように見えてもキャッシュを生み出せていればM&Aを続けながら成長させることができる、ということ。
実際、当面配当は出さない方針なので、当期利益が良かったとしてもキャッシュを生み出す力が伸びなければ株主にとっても良いことはないですし。
実際に直近4年分と来期の業績見通しの数字を整理してみました。
売上高と売上総利益はきれいな右肩上がりで成長しています。
決算資料を見る限りでもM&Aによる上積み分以外でもグループ全体として増収傾向にあるようで、物流コストの上昇とかがありつつも売上総利益率はある程度保っているようです。
次に減価償却費。こちらは大雑把に見るとBSに記載されている固定資産のうち、土地とのれんを除いたものの帳簿価格に比例すると考えることができますので、今期224百万円に対して来期は310百万円くらいになりそうです。
もう一点、のれんの償却。ヨシムラフードの買収は基本、純資産の価格と同等かそれ以下で買ってのれんを発生させないモデルのようですが、今期はシンガポールの会社を買収した際に10億円強ののれんを発生させています。この償却年数は会社に聞かないとわかりませんが、一般的に10年未満なはずなので、仮に10年とすると、来期ののれん償却はは186百万円程度になりそうです。
（そもそもヨシムラフードの場合、一度買収した会社を売却することは一切考えないという理念があるので、のれんの償却という考え方自体がしっくりこない部分もあります。）
来期も税前利益横ばいと言っても、減価償却とのれん償却の増加分の影響額がかなりあり、これらを除いてみるとキャッシュを稼ぐ力は着実に伸びていることがわかります。
現状でも借り入れや増資を前提にしなくても年10億円くらいの買収はこなせる、ということですね。
いずれにしても理念や戦略はきちんと持ってる企業なので、シンガポール展開をはじめ、ここからどう加速させていくかがカギですね。
今週の1曲：「Air」／矢野絢子
デビュー20周年になるんですね。
一度、生で聞いたことがあって、その時に、「ソロのピアノの弾き語りの女性アーティストなんてだいたい頭がおかしいんですよ。」なんて自虐していましたが、たしかにわかる気がします。笑
それくらいにこの人の抽斗の多さと表現力の高さは折り紙付きです。
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