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ヨシムラフード第10回株主総会(参加メモ)

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株主総会

※それなりに集中して聞いていたつもりですが、あくまでメモですので、質問者・社長の意図をくみ取り切れていない部分もあるかと思いますので、ご参考まで。参加された方で補足等あればぜひお願いします。

2018年5月29日 10:00~11:20  @内幸町ホール

参加者は100名程度。(出席者番号で96番の人の発言があったので、それ以上は間違いなく。)

Q1.売上の伸びに対して営業利益の伸びがよくない理由として原料高を挙げていたが、具体的には?また、今後の見通しと対策を教えて欲しい。

営業利益については、M&A関連費用を87百万円計上したことが響いていることもある。原料高については、例えば、売上構成比の大きい楽揚食品でいえば豚油、小麦など。
また、工員などの人件費の高騰も大きい。

原料については高止まる可能性もあるものの、今期は受注が好調だったが故に生産能力を上回ってしまい、それに対応するために限界コストが上がってしまった側面もある。
例えば、5工場間での横持ちのための輸送費などが嵩んでしまった。
これについては、設備投資を行い、工場を1つ増設することで生産能力を高めて対処したいと考えている。
人件費については、ミャンマーから研修生の受け入れを行い、最近は少しずつ機能するようになってきており、多少は抑制できる見込み。

Q2.前期は上期に上方修正を行い、分割を行い、4Qになって下方修正を行うこととなったが、この経緯を知りたい。また、今期予想については控えめな数字という印象を受けるが会社としての手ごたえは?

前提として、前期の業績は通期ではほぼ当初の想定通り(予定を若干上回る程度)の着地だった。四半期別には1Qが好調で4Qが苦戦した。
1Q時点で東証の開示基準を上回る予実乖離が生じたため、上方修正を行った。
その際、あくまでも1Qの予実乖離分をそのまま通期業績に乗せる形で修正したが、前述の理由で4Qで苦戦したため、下方修正をすることになった。

株式分割についてはもともと前期中に実施する予定はあったが、2Q終了時点で株価上昇・単元価格上昇に伴い、株主数が1部上場基準に満たなくなってしまったため、このタイミングになった。

今期業績については、あくまでも既存グループ会社は前期並みの売上・利益水準を前提として数字を作っているため、保守的ではある。
(ざっくり言うと前期の数字にJSTTとおむすびころりん本舗の数字を乗せたイメージ)
 

Q3.M&Aは通常どういったルートで案件を取ってくるのか。また、今後重点を置く対象業種を知りたい。個人的には菓子・スイーツ会社などがグループに加わるとシナジーが見込めるのではないかと考える。

検討案件の割合としては、仲介会社からの紹介が半数くらいで、次いで地銀、税理士・会計士、その他、といった順番。

対象先の選定にあたっては、①既存グループ会社へのメリット、②既存グループ会社のリソース(特に販売ルート)を活かせる会社、③国外で売れる商品を持っている会社、という点を重視。菓子・スイート系の会社は③との合致性が高いと考える。

 

Q4.総会通知5ページにグループ会社一覧があるが、個社別の売上・利益を開示してほしい。

楽陽食品が売上高49億円を占めており最大であるというのは前述のとおりだが、会社として個社別の経営成績はあまり重視していないため、全体として見て欲しい。
グループのリソースは有限であり、そのリソースの使い方についても企業の段階に応じてメリハリをつけて用いており、経営成績についてはあくまでもその結果と考える。

Q5.CMSについて、貸付の規律はどのようになっているのか。また、借入というのは税務面などで問題ないのか。

規律については、100%子会社としており、取締役を派遣するなどして、財務状況を把握している。借入については、特段仕組みとして問題はない。
(CMSについては、個社別に資金調達を行うよりも調達金利面でも有利なはずで、これ自体はよくある仕組みだと思います。)

Q6.定款変更について、業種の幅を広げるのもよいが、後継者不在企業の事業継承に力を入れるという本来の企業理念が薄まってしまわないか心配。

今回の定款変更については中長期的視点で見て何かできることはないか、というブレストを行った結果加えたものであり、直近で急に手を広げることは考えていない。
前期でいえば、シンガポールの企業を買収したことは中小企業支援プラットフォームの販売ルート拡大を目的として行ったように、これらの業種への参入についても中小企業プラットフォームの強化につながるか、という視点で考える。例えば、ホテル業などは、実は飲食の売上が半分を占めており、グループ会社の商品を提供することでシナジーを見込めるかも、といった具合。

Q7.Q6に関連して、自動車部品会社なども後継者不在企業が多いと言われているが、そういった他業種への参入はあり得るか。また、企業数が増えていくと、(販売面ではわかりやすいが、製造面などの)シナジーを出していくのが大変なのでは。

話としてはあるが、現状考えていない。対象先の優先順位付けとしては、グループ会社へのメリットが大きい順に考えていく。
何らかの環境変化が起こり、そういった会社がリストの上位に来ることがあれば、参入の可能性もあるが、色々な仮定を必要とする話となる。(食品会社はディフェンシブなので、金融危機には比較的強いため、そういった環境下では他業種の企業が相対的に割安になることは考えられるし、それが後継者不在企業の事業承継という当社の使命と合致するのであれば考えられる。)

シナジーについては、グループ会社が増えればチャンスは広がると考える。表には出にくいが、シナジーを発揮していく上で経営管理体制の強化が要となると考える。(対象先はオーナー企業が主なので、オーナー不在になった後の仕組みづくりが肝になる。)。受け入れ企業からホールディングスへの転籍なども行いながら、管理体制を強化している。

Q8.前期はM&Aが下期に集中したため、業績に偏りが生じてしまったと話があったが、今期は上期中にある程度分散できそうか。また、(昨今の株価下落局面で苦しいと思うが)以前掲げていた時価総額1000億円のマイルストーンは健在か。

M&Aの時期については、相手のある話なので、何とも言えない。決算の数字を作りに行くわけではなく、グループとしてのメリットを第1優先で考えていくためご理解いただきたい。

ただ、(昨今の株価変動を受けて)投資家への説明の強化の必要性も実感しており、このあたりは丁寧に行っていきたい。経営状況については、営業利益等だけでなく、のれん等もふまえ、キャッシュフローベースの視点も加えて見て欲しい。

時価総額の目標については、基本スタンスは全く変わっておらず最短で目指したい。ファンドでは買収対象にならない企業であっても、当社であればシナジーを発揮できる企業はたくさんあるはずである。

Q9.商品開発・マーケティングについてはどのように考えているか

こういった分野に長けた人材が少ないことは中小企業の課題であることが多い。ホールディングスには大手から転籍した商品開発担当者を配置しており、楽陽食品なども昔と比べるとヒット商品も増えているが、まだまだ課題も多い。

Q10.今後のM&A先の規模は?

一定以上の規模になるとファンド等と競合しやすいため、中小企業が中心になることは変わらないと思われる。

Q11.ファンドが買わないということは収益性があまり高くない企業、ということではないかと思うが、対象先選定の際、IRRなどの指標で見て基準値を設けているのか?

取得費用 + 投入コスト(設備投資・管理リソース)に対するグループとしての増分価値(平たく言えば時価総額増)を軸に考えており、IRRなどはあまり重視していない。
極論、対象先の売上・利益が伸びないとしてもグループ他社にメリットがあれば対象先になる可能性がある。(こういったことはファンドではまずありえないはず。)

Q12.Q9に関連して、まだまだグループ会社の商品を日常することが少ないように思う。世の中への認知をもっと強化してほしい。

課題としては認識しているが、いくつか段階があると考えており、まずは経営管理の強化、生産の効率化、といったところから着手したい。そのうえで安定してキャッシュを得られるようになってくれば広告宣伝を強化していきたい。

Q13.①Q1に関連して、物流費上昇対策として現実的な策は何かあるか。(物流企業の内製化なども話はあったが、直近で現実的とは思えない)②今期業績が保守的に見えるが、おむすびころりん本舗やJSTTの業績は反映されているのか、③増資は考えているか、④定款変更について、飲食店・宿泊施設経営はグループ会社の商品の性質も考えて、適性がありそう。

①現実的な対策はなかなかない。工場増設による横持ち解消程度か。

②含んでいる。(Q2記載のとおり)

③現段階で増資は考えていない。増資については、適切に行えば、それ以上の資金を調達することができ、株主にとってもメリットがあるものだと思うが、それはおそらく時価総額1000億円に達した次の段階だと思う。

④実は参入が難しい業種だと考えている。食品製造業界と似ているようで、飲食店や宿泊施設の経営は現金や人(離職率が高い)の管理など、必要とするノウハウが異なり、意外とハードルが高い。

Q14.(北堀取締役に対して)グループ企業数が増えたが、各社のマネジメントはどのように行っているか?

月1程度で、各社を訪問し、営業会議、幹部会議などで意見交換している。日々のマネジメントについては担当者が行っている。

 

所感

説明自体はかみながらな感じでちょっと不安でしたが、Q&Aに入ってからの安定感は一流だな、と思いました。
説明20分、質疑応答1時間という感じでしたが、まったく飽きずに聞いていました。
株主の質問自体も他社の総会と比べてかなり質が高いと感じました。(なので、上記メモでも一つも割愛していないです。)

今回は自分で質問はしませんでしたが、事前に目ぼしを付けていたところは社長の説明と他の方の質問で解消されました。

本当は全休にして、役員の方と話してみたかったな、というところですが、午後は出社のため時間がなく、閉会後はすぐに会場を出ました。

個人的になるほどな、と思ったのは、M&Aの軸がすごくはっきりしていて、全くブレていないこと。IRRなども一指標にはなるかもしれないですが、本来の投資判断は企業価値の向上(IRRは第三者目線の指標であって、当事者になることでできることが広がる)、と言い切るところが格好いいですね。

時間はかかるかもしれませんが、長期的には大成すべき企業だな、と感じましたので、引き続き応援していきたいと思います。

 

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コメント

    • ぴーちゃん
    • 2018年 6月 01日

    詳しいまとめ大変参考になりました。ありがとうございます。

      • liamria8
      • 2018年 6月 02日

      コメントありがとうございます!M&A主体というと派手なイメージですが、事業そのものは堅実なのでじっくり応援していきたいな、と改めて思いました。

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